IFAリーグ2部　対 波崎高 令和5年4月8日(土)
結果 日立一高 － 波崎高
前半　　 1    －   0
後半 　　2    －   0
合計 　　3 　 －   0
会場 神栖海浜サッカー場

　IFAリーグ4戦目、新体制の初陣が4月とは思えない冷たい風が吹く神栖海浜サッカー場にて行われた。試合開始前の円陣では、いつもと変わらぬ笑顔と程よい緊張感、そしてベンチとの一体感が見られた。恐らく、この3つのバランスのとれた融合が今の一高の強みなのだろう。

　前半、神栖名所の一つでもある大風車の下、風上に立った一高のキックオフで始まる。
  波崎はコイントスで勝ち、前半はあえて風下で我慢のサッカーをし、後半風上で勝負に出る作戦を取った。
序盤、一高は細かなパスをつなぐサッカー、それに対して波崎は守りを固めロングボールでゴールを狙う戦法であった。両チームともなかなかリズムがつかめずにいたが、5分過ぎから、一高が横と縦のパスを織り交ぜながらボールを運び始めると、徐々に流れをつかみ始めた。6分、右CKに頭で合わせるもクロスバー直撃、18分にはミドルシュートを放つもバーの上に外れる等チャンスを作る。しかし、なかなかゴールを奪えず、逆に20分前後から波崎の攻撃が始まる。19分には右からのセンターリングを上げるも一高GKが冷静に対応。波崎の高いロングボールは風に流され、一高DF陣も苦労するが、お互いに声を掛け合い、シンプルにクリアーする等落ち着いたプレーで相手の攻撃に耐えた。前半の給水後は一高が何度もFKやCKを得てチャンスを作っているように思えるが、決定機までには至らない、嫌な展開が続いた。波崎ベンチからも「前半は我慢」という指示が何度も出ており、引いて守る相手にこのまま前半0-0で終わるのかと思った矢先の41分。左CKを頭で折り返し、こぼれ球をゴール前に詰めた選手が気持ちで押し込み、見事先制点を挙げた。待ちに待った待望の得点に選手もベンチも一体となって喜んだ。このまま、前半は1-0で終了。
　いよいよ、一高が風下に立ち相手が勝負をかけてくる後半がスタートした。次の1点をどちらが取るかが勝負の大きな分かれ道になる。後半始まる前、コーチからも一高GKにロングボールに対する注意がなされた。恐らく、相手は容易に1点を取って流れにのるつもりだっただろう。だが、今の一高にはそれを許さない心技体が育っていた。48分、一高FWがプレスバックしながら相手からボールを奪うとそのままドリブル突破、そして走り込んだもう1人のFWへ絶妙なスルーパス、そして突き放す2点目を奪う。相手の出鼻と気持ちを打ち砕く最高の追加点であった。その後も一高のペースが続き、再三チャンスをつくる。ベンチからも、「守るのではなく点を取りにいこう」と檄が飛ぶ。「攻撃は最大の防御」を体現する一高選手。FW,MFの選手が上からがむしゃらに走って相手に体を当てる献身的なプレー、それに連動する冷静なDF,GK。チームの一体感が感じられる時間が長く続いた。そして61分。左CKを頭で合わせて3-0とゲームを決定づける。その後は、どんどん選手を入れ替え、とにかく全員で走るサッカーを展開した。そして、試合終了3-0。新しく赴任した先生に初勝利をプレゼントした。
                                                          
　これで、2部リーグ昇格後、3勝1分。調子は上がってきてる。しかし、選手たちは今日の内容に満足しておらず、「まだまだ、だめだ」という感覚をもっている。そこには、「もっと点を取れた」「もっと正確にパスがつなげた」等の反省があるからだろう。結果ではなく内容を重視し、貪欲に上を目指す選手たちにおごりの気持ちはない。
　いよいよ、次週2部リーグ最大の敵の一つである霞ヶ浦高戦があり、その後は関東大会の予選が始まる。今の1部リーグ、2部リーグの結果を見ると、絶対的・安定的な強さを持っている高校はなく、その時の心と体の状態が良い方が勝っている。つまり、霞ヶ浦との戦い次第では、「関東大会出場」という夢が夢じゃなくなり、現実的で身近なものになる可能性がある。とにかく、ケガに注意しながら、数cmにこだわる緻密さ、勇気をもってコートを縦横に広く使う大胆さに課題をもって、上を目指してもらいたい。
「You can overcome anything,if and only if you love something enough.」
                              
　
令和5年4月8日　於　神栖海浜サッカー場　父母の会